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OJAD 講習会シドニー開催に関するお知らせ

日時: 7月13日(日) 13:00〜16:30
場所: マッコーリー大学 North Ryde キャンパス
講演者:峯松信明教授(東京大学)

登録〆切: 7月6日(日) お席がとれる限り,受け付けます。

OJAD (Online Japanese Accent Dictionary) は,国立国語研究所からの支援を受けて開発された,日本語の韻律教育を強力に支援するオンライン日本語アクセント辞書です。「日本語らしく自然に聞こえる発音を身に付けたい」と考える学習者は多い一方で,音声教育,とりわけ韻律教育の教材は十分には提供されていません。教師からは「イントネーションってよく分らない」「東京方言アクセントを教える自信がない」「活用後のアクセントは辞書で調べるのも大変」という声を聞きます。これらを解決するために開発されたのが OJAD です。 こちらからアクセスでき,無償で提供されています。OJAD は日本音声学会より,学術研究奨励賞を受賞しています。1分間のプロモーションビデオ(日本語版英語版)もございます。Facebook page はこちらです。

講習会の内容について

これまで,世界中で OJAD 講習会を開催して参りました。講習会では OJAD の使い方を示す前に,そもそも,日本語のアクセントとは何か,日本語のイントネーションとは何か,という基礎知識についても提供しています。 下記のようなメニューとなっています。

  • 最近,上手に喋るようになったパソコン君。どうやって「読み上げ術」を学んでいるのか?
  • 日本語アクセントに関する基礎知識。アクセント結合とは,アクセント句とは?
  • 日本人って,アクセントに敏感なの?鈍感なの?ある聴取実験が示す事実。
  • 日本語イントネーションに関する基礎知識。聞き取りやすい読み上げに至る最短経路とは?
  • 使ってみよう OJAD。OJAD 4機能のご紹介。
  • OJAD を使ったオーラル・プレゼンテーション指導の実例紹介
  • OJAD を使ったアクセント導入の実例紹介

OJAD を使った初級からの韻律教育に関しては,アクセントやイントネーションを導入している様子を,プロジェクトメンバーが報告書にまとめています。国語研プロジェクトレビューにも,講習会の様子が一部示されています。

シドニーでの講習会

ICJLE / NSJLE において,7/11(金)の午前中にポスター発表を行ない,午後に90分のワークショップを開催致します。ですが,3.5 時間の講習会内容全てをお伝えすることはできません。OJAD についてより深く学びたい方は,是非,マッコーリー大学の North Ryde Campus で開催される講習会にご参加下さい。

開催日: 2014年7月13日(日)
時間: 13:00〜16:30
場所: Room 201,あるいは,Room 225
(最終的な参加人数により,開催場所は決定されます)

登録

マッコーリー大学での OJAD 講習会に参加される方は,氏名及びメールアドレスをこのページから入力して下さい(〆切=7/6)。聴講料は無料です。聴講希望者が10名以上いるようであれば,3.5時間ほどの講習会を開催したいと考えています。既に十分な数の申込がありましたので,講習会は開催致します。なお,定員は25名,先着順ですのでご注意下さい。どなたでも参加戴けます。使用言語は一部日本語,一部英語です。これまでの講習会は基本,日本語で行なってきましたので,今回英語での説明を入れることになると,従来よりも多くお時間を頂戴することになるかと思いますが,ご了解下さい。発表者の英語が聞き取りやすいかどうかを確認したい場合は,ICJLE でのポスター発表会場までお越しください。

講習会を開催することになりましたら,より詳細な情報を戴いたメールアドレスまで送付させて戴きます。

会場までのアクセス方法

マッコーリー大学が提供するアクセス方法について,こちらでご覧戴けます。手段としては幾つかありますが,より確実な方法を使われることをお勧めします。列車やバスでお越し戴くこともできますし,キャンパスから数キロ以内にお住いの場合は,自転車や歩いて来られるのが一番お安く,かつ健康にも良いでしょう。車で来られる場合は,ちょっとしたシドニー旅行となるでしょう。

OJAD が提供する4つの機能

OJAD が提供する4つの機能について説明します。

  • 単語を指定してアクセントを検索する機能
    一般の電子化辞書が提供するようなアクセント検索ではなく,用言であればその活用形に伴うアクセント変形,更にはアクセントの揺れにまで対応してアクセントを視覚的,聴覚的,網羅的に表示します。また,代表的な教科書十数冊に完全準拠しており,「ある教科書の第15課~第18課に初出する旧能力試験の1級相当の動詞を全て,活用に伴うピッチパターンの変化を考慮して呈示する」などが容易に可能です。
  • 動詞の後続語を指定してアクセントを検索する機能
    第一の機能では,用言の活用は基本12活用のみを考慮していますが,実際には「食べようとしたのだが」のように,様々な活用語尾が接続します。この機能では,ある中級教科書に登場した全ての(用言の)後続語330種類に対し,これらが(ユーザが入力した)任意の動詞に対して接続された場合,どのようなアクセントとなるのかを視覚的に示すことが可能です。
  • 任意テキストから用言を自動抽出し,活用に伴うアクセント変形を表示する機能
    第一,第二の機能は幾つかの教科書に準拠する形で構成されています。逆に言えば,教科書に出現しないパターンには対応できません。本機能は任意の日本語テキスト(web 上の任意テキスト)をコピー&ペーストして「実行」ボタンをクリックするだけで,そのテキスト中の全ての用言を自動抽出し,それらが活用した場合(12基本活用)のアクセントの様子を視覚的に,表にして示すことができます。
  • 任意テキストに対して(例えば読み上げ原稿),適切なイントネーション+アクセントパターンを視覚呈示し,また,合成音声による聴覚呈示を行う機能
    読み上げ原稿に平仮名が付与されていても,それを適切に読み上げることは難しいものです。アクセントやイントネーションの韻律情報,どの母音は無声化すべきなのか,句読点以外にどこでポーズを置くべきなのか,などの音声情報が欠落しているからです。母語話者はこれらの情報を無意識的に処理して適切に読みますが,学習者はそれが困難となります。本機能は,任意のテキスト(例えば読み上げ原稿)に対して,アクセントやイントネーションを自動付与することができます。日本語のアクセントは前後コンテキストによって変形しますが,変形後のアクセントを呈示します。また,音声合成を行ない,音声化することもできます。有能な読み上げ韻律チュータです。

上記4機能についてのより詳細な文献としては,国語研プロジェクトレビューとしてまとめた文書があります。

連絡先

Email Professor Nobuaki MINEMATSU (The University of Tokyo, Japan)

Email Dr. Kimiko Tsukada (Macquarie University, Australia)

Email Dr. Mostafa Shaikh (Macquarie University, Australia)